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Raspberry Pi 4をバッテリー駆動する

Raspberry Pi 4はCPUやIOの性能が向上し、低電力サーバーやそれなりの性能を要求する組み込み機器での利用が期待できますが、厄介なのが電源。

電源は5.1V/3Aを供給できることが推奨されます。

ACアダプタなら公式や急速充電に対応したものが既に存在しますが、バッテリーとなると難しい。

5V/3Aの出力が出来るモバイルバッテリーは限られており、大抵が2.4Aまで。2.4Aでも動きはしますが、やはりCPUの負荷が高まったりUSBデバイスを利用するとなると心許ないです。

あと、UPSとして使うとなると、パススルー機能にも対応してないといけないので更に使える機種が限られます。

そういう時はUPS HATを使うといいかも?

この記事ではリチウムイオンポリマーバッテリーを扱います。取り扱いを間違えると爆発し、火傷や火災の原因になります。筆者は一切の責任を負えませんので、この記事を参考にされる場合は全て自己責任でお願いします。

Contents
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Raspberry Pi 4対応のUPS HAT

Geekwormが販売しています。 Raspberry Pi 4 UPS HAT V2

新機種が出ていました。 Raspberry Pi 4 UPS HAT V3

そして、Aliexpressで購入できます。

US $26.09 10% OFF|Raspberry Pi 4 Model B/3B+/3B UPS HAT 3 with Type C, Li ion Battery Power Source Supply Expansion Board (Without Battery)|Demo Board Accessories| - AliExpress

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こちらはRaspberry Pi 4に対応しており、USB Type-Cからの充電と、5V3Aの出力に対応しています。

2500mAh以上の容量を持つリチウムイオンポリマーバッテリー(以下LiPo)に対応しており、これを使えば誰でも好きな容量のバッテリーをRaspberry Pi 4で使うことができます。(もちろん3+以前の機種でも利用可能です。)

ちなみに、この記事ではV2を利用していますが、V3も同様に使用することが可能と思われます。

一部基板上部品配置が違うのと、3A充電に対応させるためのはんだ付けが必要なくなったのが主な違いかと。

必要なもの

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UPS HAT 2の用意

3A充電への対応

まず、出荷状態では2Aでしか充電できなくなってるので、3Aまで扱えるようにします。

基盤の右の方に書いてありますが、3A充電するには赤枠内にあるCC1とCC2のパターンがショートされている必要があります。

なので、CC1をはんだでブリッジさせましょう。

ヒートシンクの取り付け

赤枠にあるのがMPSE37というIC。MP2636シリーズのバッテリー管理ICらしい。

こいつが発熱するみたいなので、ヒートシンクはここに取り付けてください。

ピンヘッダの延長

差し込むだけ。

バッテリーの取り付け

UPS HAT 2にはバッテリーを取り付ける端子が2つあります。

PH 2.0コネクタならばはんだを使わずにバッテリーを取り付けできるので、取り付け・交換が簡単です。(+/-極の方向は要チェック)

ただ、PH 2.0コネクタがついて売っているLiPoが少ないので、そういう時ははんだ付け用のパターンに直接繋ぎます。

ですが、PH 2.0とは違ってはんだの際に+極と-極を誤ってショートさせたりしてしまうと爆発するので、取り付けの際は細心の注意を払いましょう。

また、+と-逆方向に付けても爆発するので確認してくださいね。大抵の場合赤色が+、黒色が-ですが、バッテリーの説明書きや基盤のプリントを見てちゃんと確認してください。

表面に+と-がプリントされている他、写真だと見辛いですが紫色の枠内、保護基板にそれぞれD+とD-が記載されています。なので、そこに接続されているコードの色を確認してください。

無事接続できればOKです。

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Raspberry Piに装着

Raspberry Piのピンヘッダ部分に差し込みます。

UPS HAT側にUSB電源を繋ぐと赤いランプが点灯してバッテリーが充電されます。

スイッチを押すと残量ランプが点灯します。また、スイッチを長押しするとRaspberry Piへの電源供給が開始され緑のランプが点灯し、Raspberry Piが起動します。また、電源供給をやめたい場合は再び長押しすれば電源が切れます。

電源供給の安定性

要するに画面右上の低電圧警告が出るかどうかです。

バッテリー駆動

バッテリーからのみ電源を供給している際は警告が出ず、問題なく利用できました。

4Kモニターに接続し、ChromiumでYoutubeのFull HD動画を再生してCPU使用率が70~90%になっても問題なく動作し続けたので、それなりに安定しています。

UPS HATに電源を接続

要は、バッテリーを充電しながらRaspberry Piを起動している状態です。この場合だと稀にですが低電圧の警告が出ました。

測定すると、USBからの電源供給が5.49V/2.58A ≒ 14.2W程度。5.1V/3A = 15.3Wには足りず、しかもバッテリー充電で電力が取られているからか、電源を差している際は逆に電源供給が不安定になってしまうみたいですね。

では、UPSとして使いたい時はどうするのか、AUTO UPSを使います。

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AUTO UPSスイッチについて

先ほどボタンを長押しでRaspberry Piに電源が供給されると言いましたが、このスイッチをオンにすると、Raspberry Piへの電源供給が途絶えた際にボタンを押さなくても自動的にバッテリーからRaspberry Piに電源が供給されるようになります。

つまり、この機能を使うと、普段はRaspberry Pi側に刺さったUSB電源で起動し、それが途切れたらバッテリーを使うという動作ができます。

その代わり、AUTO UPSスイッチがオンの間はバッテリーが切れない限り電源が落ちなくなります。

ちなみに、このスイッチをオンにするにはちゃんと手順があるので、以下の手順に従ってください。

  1. まずは、AUTO UPSスイッチがオフで、USBケーブルも刺さってない、何も電源が供給されていない状態にしてください。
  2. この状態で、Raspberry Pi側のUSB端子に電源を繋ぎます。
  3. Raspberry Piの電源が入ったらAUTO UPSスイッチをオンにしてください。

こうすることで、安定したUPSとして使用することができます。

ただ欠点があって、この状態だとバッテリーの充電ができません。

その場合は、ソースを同じとするType-C電源を2つ用意し、Raspberry PiとUPS HAT両方に繋ぐことで、充電しながらかつ安定した電源を用意することができます。

注意点

バッテリー駆動している際、電源に接続されていない電源ケーブルやACアダプタ接続されていると電気が逆流して、このような不思議な現象が起きます。

この状態ならばまだいいものの、この状態でコンセントに刺さっていないACアダプタにUSBを接続すると、ACアダプタに電気が逆流してRaspberry Piが電圧降下を起こすのか、再起動がかかります。

USBを挿したらACアダプタのランプが付くので逆流していることがわかりますね。

もし、バッテリー駆動中に電源の繋ぎ換えなどを行う場合は注意してください。

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まとめ

以上、もしRaspberry Pi 4のバッテリーでお困りなら参考にしてみてください。

LiPoのサイズが結構自由に選べるのと、今回の記事で話をしてないですけど、UPS HATはRaspberry Pi側からI2C経由でバッテリー残量を取得することができます。

ただ、欠点としてはLiPoのセルを直接扱うので、短絡や衝撃には気をつけないとすぐ燃えます。

なんと言ってもAliexpressで買ったバッテリーと制御基板ですからね。中国製と中国製で謎の親和性を発揮して急に燃え出さないか心配で、終始耐熱マットの上で作業していました。(はんだも使ったし)

とりあえず今回問題なく充放電ができることは確認しましたが、衝撃についてはどうにもならないので、ケースを作る必要があります。

なので、カジュアルにスタバでラズパイいじりたいなら、素直にサイズの大きいモバイルバッテリーを使うことをお勧めします。

Raspberry Piを瞬断させずにバッテリーとAC電源を切り替えたいとか、Raspberry Piを組み込んだ自作のガジェットをバッテリーで動かしたいとか、そういう時にはいいんじゃないですかね。

ちなみにUPSとしてなら、Geekwormが円筒型電池を使える別の基盤も販売しています。

Raspberry Pi 4 Model B/3B+/3B X725 UPS HAT+Safe Shutdown+Wake on Lan 18650 Power Management Expansion Board

こちらははんだごて不要でセットアップが楽ですが、サイズが大きく機能が豊富な分値段も高いです。あと、Type-Cが使えなかったり、保護回路なしの18650しか使えないなど、欠点もあります。

なので、自分がRaspberry Piを使いたい状況に応じて最適なものを探して欲しいと思います。

それでは、良きラズパイライフを。

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